“やすらぎの香り”として日々の暮らしの中に取り入れられつつあるお香。
「和の香り」、そのルーツは約2500年前のインド発祥の仏教にあると伝えられています。
仏教では仏のための香、すなわち供香(そなえこう)として香が用いられました。
その後、仏教の流布とともに香が広められ、やがて大陸を渡り、今を遡ること約1500年前に日本に伝来したといわれています。
また、仏教の流れとは別に奈良時代から平安時代にかけて、貴族の趣味として住居で香をたしなむ「空薫」(そらだき)と呼ばれる薫物(たきもの)の習慣が生まれ、現代の和の香りとして連綿と受け継がれてきました。
お香は、白檀や沈香など単独でお香になるものもありますが、主にアジア原産の木や樹脂などの天然香原料を調合してつくられています。
その香りは、主に草花の精油などを使った直接的な西洋の香りとの違いであり、和の香りならではのもの。しかも、香原料の大半が漢方薬としても利用されているため、香りがよい上に体にもやさしいのが特徴。 古くから“香の十徳”として、その効用が伝えられています。
「薫物屋香楽」では、悠久の歴史と先人の暮らしと文化によって磨きあげられて来た和の香りの素晴らしさを、より多くの方々に味わっていただきたいと願っています。